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症例報告

腸閉塞の犬の1例

2024.3.12
ブログ

今回は腸閉塞を起こした症例のご紹介をさせていただきます。

 

犬ちゃん、猫ちゃんによっては誤食癖が問題になることがあり、食べて数時間以内であれば吐かせる処置によって無事異物を吐かせることができることが多いです。

しかし食べたことに気づかなかったりして時間が経過してしまった場合、異物が腸に詰まってしまうことがあり、その状態を腸閉塞と呼びます。

 

まだ異物が胃内にある場合などで、異物を吐かせられなかった場合は当院ではまず内視鏡による異物の摘出を試みます。

内視鏡は体にメスを入れる必要がないため、術後の回復も早く、早期の退院が可能となります。

 

しかし腸閉塞になっている症例では、すぐに手術による異物摘出を行わないと、腸の壊死や穿孔による腸内容物の漏出で腹膜炎などを起こし、亡くなってしまうリスクも高まります。

腸閉塞の症状としては繰り返す嘔吐、食欲不振、腹痛、元気低下などが一般的で、診断にはレントゲンや超音波検査などの画像検査が一般的に用いられます。

 

手術写真でお分かりの通り、一般的な腸は非常に細いのに対し、異物の閉塞部位では腸が腫れている様子が観察できます。

この症例は異物が小腸に詰まって閉塞を起こしており、その異物を摘出することで元気に退院してくれました。

 

嘔吐症状の場合、単なる胃腸炎などではなく、腸閉塞などの可能性もあるため、何か気になることがありましたら、ぜひ当院までご相談ください。