Copyright 2024 © 名古屋有松どうぶつ病院

症例報告

動物の誤飲誤食について

2024.3.29
ブログ

今回は誤飲誤食に関してお伝えします。

 

動物病院へ来院される理由の中に、誤飲誤食があります。

中毒性物質を摂取することによる臓器障害などが出ることもあれば、異物の誤食などが胃内異物、腸閉塞などに発展するケースもあり、注意が必要です。

 

中毒性物質として有名なのが、玉ねぎなどのネギ類(溶血性貧血)、チョコレート、ブドウ(腎障害)、ユリ(腎不全)などが有名です。摂取した食事は4時間前後で胃から腸へ流れるため、誤食後、早期であれば吐かせる処置で対応することができます。

異物などの誤食でも同様に摂取後短時間であれば吐かせる処置で体外へ排出させられる事が多いですが、中には食べることはできたのに吐けない事や、すでに腸へ流れてしまっている事などもあります。

 

異物の検出には一般的にレントゲン検査や超音波検査などの画像診断検査で確認をします。レントゲンでは金属製物質は明瞭に確認できますが、布製品やプラスチックなどは基本的にはレントゲンに映らないため、診断が難航する場合もあります。

異物摂取では嘔吐や流涎などが出ることがあり、異物の摂取が疑われ、吐かせることができなかった場合などでは内視鏡(胃カメラ)で胃内を観察することもあります(写真は内視鏡で異物摘出を行ったワンちゃんの胃内の映像です)。内視鏡検査は全身麻酔が必要になりますが、内視鏡で異物の摘出が可能であれば、手術でお腹を開ける必要がなくなるため、身体へのダメージも最小限で済むメリットがあります。

 

誤食癖はなかなか治らないケースも多く、誤食による慢性的な嘔吐などを引き起こす場合も少なくありません。

 

誤飲誤食の対応は早急に行った方がいいケースが多いため、「何か食べてしまったかも?」、「嘔吐が続いている」など気になることがあればお気軽にご相談ください。