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症例報告

先天性股関節形成不全に対し大腿骨頭切除を行なった症例

2024.5.29
ブログ

今回は先天性股関節形成不全に対し大腿骨頭切除を行なった症例を紹介します。

 

股関節形成不全は初めに股関節の形態変化として異常な緩みが起こり、その結果として二次性の骨関節炎が発すると考えられています。

今回の症例は若齢で股関節の緩みが重度であり、大腿骨頭の変形も認められました。

 

↑健常犬の股関節のレントゲン

 

↑今回の症例では股関節の緩みが重度で、健常犬に対して大腿骨頭の股関節へのはまりが非常に浅いことがよく分かります。加えて大腿骨頭の不整も顕著です。

 

この症例は左後肢の跛行(足を挙げてケンケンしてしまう)を主訴に来院され、検査では左股関節の顕著な伸展痛を認めました。

股関節形成不全、レッグペルテス(大腿骨頭壊死症)の可能性を考慮し、大腿骨頭切除術を実施することになりました。

 

↑大腿骨頭切除後のレントゲン画像です。

 

↑摘出した大腿骨頭(骨頭表面は通常滑らかですが、この症例の骨頭はかなり不整)

 

手術後からおおよそ1〜2ヶ月は安静が必要になりますが、今回の症例は術後2週間の段階で、ほとんど歩行に問題ない状態まで改善を認めました。

大腿骨頭切除後は数ヶ月で股関節の繊維化が起こり、大腿骨頭がなくても日常生活に支障が出ないレベルまで歩様が改善することがほとんどです。

 

愛犬・愛猫の歩行に異常が出た時に、その原因は多岐にわたります。

正確な診断に基づいた適切な治療をすることで、歩行が改善することが多いため、歩き方などに気になる点がある場合はお気軽にご相談ください。